イギリス政府は、中東の要衝であるホルムズ海峡の航行の安全を確保するため、米軍がイランの標的を攻撃する際に英軍基地を使用することを承認した。この決定に対しては英国内外から激しい批判の声が上がっており、イラン側は報復を警告している。
ホルムズ海峡はペルシャ湾とオマーン湾を結ぶ幅約50キロメートルの狭い水路で、世界の原油輸送量の約2割がこの海峡を通過する。エネルギー安全保障の観点から国際社会にとって極めて重要な航路であり、同海峡の緊張が高まれば原油価格の急騰を招く恐れがある。
英国はバーレーンやキプロス、インド洋のディエゴガルシア島などに軍事拠点を保有しており、これらの基地が米軍の作戦に活用される可能性がある。英国がこうした決定に踏み切った背景には、イランによる商船への妨害行為や核開発問題をめぐる欧米との対立激化があるとみられる。
タイにとってもこの問題は無縁ではない。タイは中東から大量の原油や天然ガスを輸入しており、ホルムズ海峡の安全は同国のエネルギー供給に直結する。実際、過去に同海峡で緊張が高まった際にはタイ国内の燃料価格にも影響が及んだ。また、タイには中東諸国で働く出稼ぎ労働者が数万人規模で存在しており、軍事衝突が起きた場合には在留タイ人の安全確保も課題となる。
日本も同様に、原油輸入の約9割を中東に依存しており、ホルムズ海峡の情勢は日本経済に大きな影響を及ぼす。2019年にはホルムズ海峡付近で日本関連のタンカーが攻撃される事件も発生しており、今回の英米の動きは日本のエネルギー政策にも波及しかねない重要な問題だ。今後の米英とイランの動向に注視が必要となる。
出典: Bangkok Post



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