米AI企業Anthropicが、世界約8万人を対象に実施した史上最大規模のAI意識調査の結果を公開した。この調査では、人々がAIに抱く9つの希望と、最も深刻とされる3つの懸念が浮き彫りになっている。
Anthropicは対話型AI「Claude」を開発するサンフランシスコ拠点の企業で、OpenAIの元メンバーらが2021年に設立した。AIの安全性研究を重視する姿勢で知られ、近年はGoogleやAmazonからも大型出資を受けるなど急成長を遂げている。
■調査で見えた希望と懸念の中身
調査によると、人々がAIに期待する項目としては、医療の進歩や教育格差の解消、科学研究の加速といった社会課題の解決が上位に並んだ。一方で最大の懸念としては、雇用の喪失、プライバシーの侵害、そしてAIの暴走や制御不能に陥るリスクが挙げられた。先進国と新興国で温度差があり、途上国ほどAIへの期待が高い傾向も示された。
■タイでも加速するAI活用と規制議論
タイでもAI導入の動きは急速に進んでいる。タイ政府は2024年にAI倫理ガイドラインを閣議決定し、デジタル経済社会省を中心にAI関連法の整備を本格化させている。バンコクではスタートアップ企業によるAIサービスが続々と登場しており、医療分野ではAI画像診断の実証実験が地方の公立病院でも始まった。一方で、ディープフェイクを使った詐欺被害やSNS上の偽情報拡散が社会問題化しており、タイ国民の間でもAIへの期待と不安が入り混じっている状況だ。
今回の調査はタイを含む東南アジア諸国のデータも含まれているとみられ、経済成長とデジタル化が同時に進むこの地域の声が世界的な議論にどう反映されるかが注目される。日本においても生成AIの利用が拡大する中、国境を越えたAIガバナンスの枠組みづくりが急務となっている。
出典: Bangkok Post



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