タイの玄関口であるスワンナプーム国際空港で、燃料不足を原因にタクシーの運行停止が相次いでいる。登録車両5000台超のうち、現在稼働しているのはわずか約2500台にとどまり、空港のタクシー乗り場は閑散とした状態だ。
スワンナプーム・タクシー協調組合のパンロップ・チャインツーさんは金曜日、家族連れや大きな荷物を持つ旅行者に人気の大型SUVタクシーを中心に、燃料の確保が困難なため運行を見合わせるドライバーが増えていると明らかにした。
特に深刻なのが長距離利用への影響だ。途中で燃料が切れても給油できる保証がないため、ドライバーたちは長距離の乗客を引き受けることに消極的になっているという。運行を完全に取りやめたドライバーのほか、比較的燃料が手に入りやすい午前中だけ稼働したり、短距離の運行に限定したりするなど、各自が対応を迫られている状況だ。
バンコク市内を走るタクシーの多くは、コスト削減と排出ガス低減のためLPG(液化石油ガス)やNGV(天然ガス車両用燃料)で走行しており、空港タクシーも同様だ。日本ではガソリンやディーゼルが主流だが、タイではガス燃料車が広く普及しているため、ガス供給の混乱がタクシー業界に直撃する構図となっている。
パンロップさんは「これは燃料価格が高いという問題ではなく、そもそも燃料が手に入らないという問題だ」と訴え、政府に早急な対策を求めた。十分な権限を持つ政権による正式な対応を事業者側は待っている状態だという。
タイ政府当局は、中東情勢の緊迫化にもかかわらず国内の石油備蓄は十分だと毎日発表している。しかし実態としては、流通網のボトルネックや買い占めの影響で、国内数百カ所のガソリンスタンドでLPGやNGVなど一部燃料の品切れが日常的に発生している。
タクシー組合は、ドライバーと利用者双方への影響を緩和するため、従来のメーター料金制からアプリベースの配車・料金システムへの移行要請を含む提案を政府に提出する準備を進めている。スワンナプーム空港を利用する日本人旅行者にとっても、当面はタクシーの待ち時間が長くなったり、長距離利用を断られたりする可能性があるため、配車アプリの活用や空港リムジンなど代替手段の確保が望ましい。
出典: Bangkok Post



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