タイがバイオ燃料E20を本格推進 石油依存脱却へ増産体制

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タイ政府が石油輸入への依存度を下げるため、バイオ燃料「ガソホールE20」の普及に本腰を入れている。これを受け、国内のエタノール製造業者が増産体制に入った。

ガソホールE20は、ガソリンにエタノールを20%混合した燃料だ。イスラエルと米国によるイラン攻撃の影響でホルムズ海峡を経由する原油輸送に制約が生じ、世界的に原油価格が高騰するなか、タイ政府はE20を主要燃料として位置づけ、普及を加速させる方針を打ち出している。

■ガソリンスタンドでの価格安定に期待

タイ・エタノール製造協会のキッティサック・ワッタナウェーキン名誉会長は「原油価格が大きく揺れ動く局面で、E20はガソリンスタンドでの小売価格の安定に貢献できる」と語った。

現在タイで広く使われているガソホール91やガソホール95はエタノール含有率が10%にとどまる。エネルギー当局はE20の小売価格をこれらより低く設定することで、ドライバーの乗り換えを促す考えだ。アッタポン・ラークピブーン暫定エネルギー相は、E20と従来燃料の価格差を1リットルあたり約5バーツ(約20円)まで広げたいとの意向を示した。タイのガソリンスタンドでは複数のエタノール混合率の燃料が並んでおり、価格差がドライバーの燃料選択に直結する仕組みとなっている。

■エタノール需要は現在の約1.7倍に拡大の見通し

同協会によると、タイのエタノール消費量は現在1日あたり約350万リットル。ガソリン全体の消費量は日量3000万リットルを超える。E20が主要燃料として定着すれば、エタノール需要は1日600万リットル以上に跳ね上がり、石油輸入量の大幅な削減につながるという。

タピオカ・エタノール協会のスリーヨット・コウスラットさんは「製造業者はE20政策を支える万全の態勢が整っている」と自信を見せた。タイ全国28工場のエタノール生産能力は日量720万リットルで、現状でも50〜60%の余剰能力を抱えている。

■サトウキビとキャッサバが支えるバイオ燃料戦略

タイのエタノールはサトウキビ由来の糖蜜とキャッサバ(タピオカの原料)から製造される。タイ国内には1100万ライ(約176万ヘクタール)を超えるサトウキビ農園があり、年間約9000万トンのサトウキビと1000万トンの砂糖を生産している。キッティサック名誉会長は「バイオ燃料分野にはまだ大きな拡大余地がある」と指摘した。

また、E20の普及が進めば、エタノール向けのキャッサバ需要は年間約600万トンに増える見通しだ。現在はキャッサバ生産量の約90%がでんぷんやチップに加工され、エタノール産業に回るのはわずか10%(約200万〜300万トン)にすぎない。タイは世界最大級のキャッサバ生産国であり、エタノール増産は農家の新たな収入源としても期待されている。

出典: Bangkok Post

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