カンボジア国内で銀行の支店を装った大規模な詐欺拠点が摘発され、その巧妙な手口の全容が明らかになりつつある。施設内には偽の警察署まで設けられ、被害者を信用させるための精巧な台本や小道具が多数発見された。さらに、拠点で働かされていた労働者が強制労働の被害に遭っていた証拠も確認されている。
■東南アジアで深刻化する詐欺コンパウンド問題
近年、カンボジアやミャンマーなど東南アジア各国では「詐欺コンパウンド」と呼ばれる大規模な詐欺施設が社会問題となっている。こうした拠点では、SNSを通じた投資詐欺やロマンス詐欺が組織的に行われており、被害は日本を含む世界各国に及んでいる。特にカンボジアではシアヌークビルやポイペトといった地域に拠点が集中し、中国系犯罪組織の関与が指摘されてきた。
■タイも人身売買の経由地に
タイはカンボジアやミャンマーとの国境を接しており、詐欺拠点への人身売買の経由地として利用されるケースが後を絶たない。高収入の求人広告に騙されてタイに渡航した後、国境を越えてカンボジアやミャンマーの詐欺施設に送り込まれる手口が横行している。タイ警察や入国管理当局も取り締まりを強化しているが、国境地帯の管理には限界があるのが実情だ。日本人が被害に巻き込まれた事例も報告されており、在タイ日本大使館や在カンボジア日本大使館も繰り返し注意喚起を行っている。
■日本人も他人事ではない被害の広がり
日本国内でも、こうした海外拠点から発信されたとみられる詐欺メッセージやSNS広告による被害が急増している。2024年には日本の警察庁がSNS型投資詐欺・ロマンス詐欺の被害総額が過去最高を更新したと発表した。東南アジアの詐欺拠点と日本国内の被害は直結しており、もはや海外の出来事として片付けられない状況にある。タイやカンボジアへの渡航を予定している人は、不審な求人情報や投資話には十分に警戒してほしい。
出典: Bangkok Post



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