イスラエル軍がレバノンに対する新たな軍事作戦を開始したことを受け、レバノン国内で避難を余儀なくされた住民の数が100万人を超えたことが明らかになった。レバノンの人口は約500万人とされており、国民のおよそ5人に1人が住む場所を追われた計算になる。
イスラエル軍はレバノン南部を拠点とするイスラム教シーア派組織ヒズボラへの攻撃を強化しており、2024年9月以降は大規模な空爆に加え、地上部隊の越境作戦にも踏み切った。ヒズボラはイランの支援を受ける武装勢力で、イスラエルとは長年にわたり敵対関係にある。今回の攻撃激化は、2023年10月のガザ紛争を契機にヒズボラがイスラエル北部への攻撃を繰り返したことへの報復とされる。
こうした事態に対し、トルコのエルドアン大統領はイスラエル軍の地上作戦を強く非難した。トルコは中東地域で影響力を持つNATO加盟国であり、パレスチナ問題ではイスラエルに批判的な立場を取り続けている。
タイにとっても中東情勢は無縁ではない。タイからは多くの労働者がイスラエルに出稼ぎに出ており、2023年10月のハマスによるイスラエル攻撃では、タイ人労働者が人質に取られる事件も発生した。タイ政府は在外タイ人の安全確保に神経をとがらせており、レバノン情勢の悪化がイスラエル国内の治安にさらなる影響を及ぼす可能性にも警戒を強めている。また、バンコクには一定数のレバノン人コミュニティが存在し、現地のレバノン料理店や貿易関係者を通じて両国には経済的なつながりもある。
国連は民間人の保護を最優先にするよう各国に呼びかけているが、停戦の見通しは立っていない。中東の不安定化は原油価格や国際経済にも波及するため、日本やタイを含むアジア各国への影響も懸念されている。
出典: Bangkok Post



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