タイ株下落 イラン戦争長期化懸念と原油高騰が重荷に

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アジア株式市場は金曜日に全面安となった。米国とイスラエルによる対イラン軍事作戦の早期終結期待が後退し、原油価格が再び1バレル100ドルを超えたことが投資家心理を冷やした。一方、米国がロシア産原油に対する制裁を一時的に緩和したことが、相場の下支え要因となった。

■タイ証券取引所は約1.5%下落、外国人の売り越し続く

タイ証券取引所(SET)指数は金曜日の終値が1,409.35ポイントとなり、前週比で0.1%下落した。週間の値動きは1,331.23〜1,429.80ポイントと大きく振れた。新政権発足への期待感はあるものの、世界的なリスク回避の流れには抗えなかった。1日あたりの平均売買代金は668億3,000万バーツ(約2,700億円相当)だった。

投資家別の売買動向では、個人投資家が102億3,000万バーツ、機関投資家が71億3,000万バーツのそれぞれ買い越しとなった。一方、外国人投資家は151億7,000万バーツの大幅な売り越しで、証券会社の自己売買も21億9,000万バーツの売り越しだった。外国人投資家によるタイ株からの資金流出が続いている状況だ。

■原油高騰とホルムズ海峡封鎖がタイ経済にも影響

ベッセント米財務長官は、現在海上で滞留しているロシア産原油に対する制裁を30日間一時解除すると発表した。これはイランとの軍事衝突で混乱するエネルギー市場の安定化を目的としたもので、タイもロシア産原油の購入を検討すると表明した国の一つに含まれている。タイは原油の大部分を中東からの輸入に依存しており、調達先の多様化は長年の課題となっている。

原油価格が高騰した直接の引き金は、イランによる燃料タンカー2隻への攻撃と、最高指導者モジタバ・ハメネイ師によるホルムズ海峡封鎖継続の宣言だ。ホルムズ海峡は世界の原油輸送の約2割が通過する要衝で、同海峡では複数の貨物船も攻撃を受けている。さらにイラン革命防衛隊は、イラン国内の銀行が攻撃されたと主張し、米国およびイスラエルに関連する「経済センターと銀行」への報復攻撃を警告した。

トランプ大統領は「攻撃すべき標的はほぼ残っていない」として戦争は間もなく終わると繰り返し述べているが、イスラエルの国防相は対イラン作戦に期限はないと強調しており、終結時期は見通せない状況が続いている。

国際エネルギー機関(IEA)は戦争による経済的影響を抑えるため、加盟国が過去最大となる4億バレルの石油備蓄を協調放出すると発表した。IEAによれば、貯蔵能力の限界や輸送の混乱により、アラブ諸国の原油生産量は日量約1,000万バレル(世界供給量の約10%に相当)減少しているという。

■米中貿易摩擦もタイに波及の懸念

トランプ政権は米国通商法301条に基づき、タイ、中国、EUを含む数十カ国の不公正な貿易慣行に対する新たな調査を発表した。米最高裁が一部の関税措置を違法と判断したことを受け、それに代わる新たな貿易制限措置を模索する狙いがある。タイは近年、中国からの生産移転先として輸出が拡大しており、今回の調査対象に含まれたことで今後の通商環境に不透明感が増している。

なお、中国では2月のインフレ率が前年同月比1.3%上昇し、3年超ぶりの高い伸びを記録した。春節(旧正月)の長期休暇が消費を押し上げたとみられる。また、中国の1〜2月の輸出も市場予測を大きく上回り、中国経済の底堅さを示す内容となった。

出典: Bangkok Post

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