タイの行政局は、野党・国民党(PP=プラチャーチョン党)の党員データベースがハッキング被害を受けたことを理由に、同党によるデジタル本人確認(デジタルID認証)システムの利用を遮断した。国民党はタイで近年勢力を伸ばしている野党で、登録党員数は11万人以上とされる。
行政局の発表によると、遮断措置は土曜日の正午に発効した。国民党の党員個人データが不正にアクセスされたとの報告を受けた対応で、国民のプライバシーに対する信頼を守るために関連法令に基づき実施したという。同時に、国民党によるICカード読み取りプログラムの使用も停止された。
行政局は国民党に対し、データ漏洩の詳細を報告するよう命じるとともに、住民登録情報やIDカード、個人データの不正利用については、コンピューター犯罪法や選挙関連法などに基づき告訴する権利を留保すると表明した。個人データを悪用された人々も、詐欺やコンピューター犯罪などで刑事・民事の両面から告訴や損害賠償請求が可能だとしている。
今回問題となったのは、タイの国民IDカード裏面に印字されている「レーザーIDコード」と呼ばれる英数字の認証コードだ。銀行口座の開設や行政手続きなど重要な本人確認に使われるため、カード保有者は他人に知らせないよう勧告されている。国民党は以前、党員登録の際にこのレーザーIDコードを収集していたことを認めつつ「データは安全だ」と主張していたが、その後まもなくデータ漏洩を認めて謝罪に追い込まれた。
行政局は、情報漏洩の影響を受けた人々に対し、裏面に新しいレーザーIDコードが記載された新しいIDカードの再発行を申請するよう呼びかけている。タイ在住の日本人にとっても、タイの個人情報管理の現状を知る上で注目すべき事案だ。
出典: Bangkok Post



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