中東情勢の緊迫化を受け、タイ国内の一部ガソリンスタンドで燃料が売り切れとなる事態が発生した。政府は備蓄不足ではないと強調し、沈静化に追われている。
エークニティ・ニティタンプラパース財務相(暫定副首相兼任)によると、原油価格の上昇を懸念した一般ドライバーや公共交通事業者が一斉にガソリンスタンドへ殺到し、緊急用の燃料備蓄を持たない地元の小規模スタンドで在庫切れが相次いだという。さらに、バスやトラックなど公共交通車両の所有者らが、通常の仕入れ先より割安な小売スタンドで軽油を大量に買いだめしていたことも品薄に拍車をかけた。
加えて、タイ政府が実施してきた軽油価格の凍結措置が来週初めに終了することが広く知られたことで、駆け込み需要がさらに膨らんだと当局は分析している。タイでは物価対策として政府が燃料価格に上限を設ける補助金政策を続けてきたが、財政負担の大きさから段階的な見直しが進められている。
エネルギー事業局のサラウット・ケーウタティップ局長は、金曜日時点でタイの原油備蓄量は約96日分に相当し、供給面での不安はないと明言。パニック買いで一時的に在庫が尽きたスタンドに対しては、燃料の配送を加速させて対応しているとした。
また、タイ最大の国営エネルギー企業PTTのコンクラパン・インタラジャンCEOは、同社が米国や中南米、西アフリカなど世界各地に原油の調達先を確保しており、情勢が不安定な中東のホルムズ海峡周辺に依存しているわけではないと説明。タイは国内需要を十分に賄える精製能力も有しており、燃料の安定供給に問題はないとの認識を示した。PTTはタイ証券取引所に上場する同国最大の企業グループで、石油・ガスの精製から販売まで幅広く手がけている。
タイでは中東情勢が緊迫するたびに燃料価格への影響が懸念されるが、政府は冷静な対応を呼びかけている。在タイ日本人にとっても、ガソリンスタンドの混雑状況には当面注意が必要だ。
出典: Bangkok Post



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