米イラン戦争で原油100ドル突破しドル急騰 世界経済に暗雲

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シンガポール外国為替市場で11日、米ドルがユーロに対し3カ月ぶりの高値を記録した。米国とイランの軍事衝突が長期化し、中東からの世界のエネルギー供給が途絶する恐れが強まったことで、投資家がドルなどの安全資産に資金を移す動きが加速している。

■原油価格は108ドル超に急騰

ブレント原油と米国産原油の先物価格はいずれも1バレル108ドルを超え、世界経済の成長を圧迫する水準に達した。ドルはユーロに対し0.8%高の1ユーロ=1.1525ドルとなったほか、円に対しても約0.4%上昇し1ドル=158.48円をつけた。英ポンド、豪ドル、ニュージーランドドルはそれぞれ対ドルで0.6%以上下落した。

BNYのボブ・サベージ市場マクロ戦略責任者は「原油はインフレ期待や金利、通貨市場を動かす最大の伝達経路だ。今回のドル高は2022年のロシア・ウクライナ紛争に伴うエネルギー危機を想起させる」と警鐘を鳴らした。さらに「今週が、市場がこの紛争を一時的なショックとみなすか、長期的な供給混乱を織り込み始めるかの分岐点になる」と述べた。

■ホルムズ海峡封鎖で世界の原油供給5分の1が停止

イランは戦闘開始後、自国とオマーンの間に位置する要衝ホルムズ海峡で船舶を攻撃し、周辺地域のエネルギーインフラにも打撃を加えた。その結果、世界の原油・天然ガス供給量の約5分の1がすでに停止している。ホルムズ海峡は世界の海上石油輸送の約3分の1が通過する最重要航路であり、封鎖の影響は計り知れない。

カタールのエネルギー相は英フィナンシャル・タイムズ紙の取材に対し、湾岸諸国のエネルギー生産国がすべて数週間以内に輸出を停止する見通しだと明かし、原油価格が1バレル150ドルまで上昇する可能性を指摘した。

シドニーのコモンウェルス銀行でジョー・カプルソ外国為替・国際・地政学部門責任者は「ドルは安全資産としての地位に加え、米国がエネルギー輸出国であるという二重の強みを享受している」と分析。「米イラン戦争は沈静化する前にさらに激化するだろう。イランには将来の停戦交渉を有利に進めるため反撃する動機があり、米国とイスラエルにはイランの攻撃能力を削ぐ動機がある」と語った。

■強硬路線を維持するイラン、新最高指導者を指名

イランは月曜日、モジュタバ・ハメネイさんを新たな最高指導者に指名した。モジュタバ氏は現最高指導者アリー・ハメネイ師の息子で、米国・イスラエルとの開戦から1週間が経過したテヘランで強硬派が権力を堅持していることを示す人事となった。

エネルギー価格の高騰は消費者にとって事実上の増税のように作用し、インフレをさらに押し上げるおそれがある。市場では各国の中央銀行が利下げに慎重になるとの見方が広がっており、金曜日に発表された予想を下回る米雇用統計で一時後退したドル高は、週明けには再び勢いを取り戻した。米国株先物も急落し、S&P500先物は1.6%下落した。

タイへの影響も懸念される。タイはエネルギーの大半を輸入に頼っており、原油価格の高騰は国内の燃料費や物価上昇に直結する。バーツ安が進めば輸入コストがさらに膨らみ、在住日本人の生活費にも影響が及ぶ可能性がある。

出典: Bangkok Post

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