タイ東北部マハサラカム県の寺院で、僧房から薬物や銃器が見つかり、僧侶が僧籍を剥奪されたうえで警察に引き渡される事件があった。タイ仏教界の信頼を揺るがす出来事として、地元メディアでも大きく報じられている。
マハサラカム県はバンコクから北東へ約470キロに位置するイサーン(東北)地方の県で、多くの寺院が点在する仏教色の強い地域として知られる。
県当局は、住民からの通報を受けてボラブエ郡にある寺院の僧房を捜索した。通報の内容は「他県から来た僧侶が寺院内で薬物を使用し、飲酒をしているほか、銃器を隠し持っている疑いがある」というものだった。なお、通報はタイ政府が運営する苦情処理窓口「ダムロンタムセンター」を通じて寄せられた。同センターは行政に対する住民の苦情や告発を受け付ける公的機関である。
当局が僧房として使われていた平屋の小屋に踏み込んだところ、室内はゴミが散乱し強烈な悪臭が漂う不衛生な状態だった。小屋の中にはカンチャナブリー県出身のプラ・スワン被告(40)が生活しており、捜索の結果、22口径の銃2丁、BB銃3丁、弾薬41発が押収された。
プラ・スワン被告は取り調べに対し、約5日前に覚醒剤の一種「ヤーバー」の錠剤を2錠使用したことを認めた。ヤーバーはメタンフェタミンを主成分とする錠剤型の覚醒剤で、タイ国内で深刻な社会問題となっている薬物だ。当局が実施した尿検査でも薬物の陽性反応が確認された。
検査後、当局はプラ・スワン被告を寺院の住職のもとに連行し、正式に僧籍を剥奪。その後、ボラブエ警察署に身柄を引き渡し、刑事手続きが進められている。
地元住民らは元僧侶の行動を強く批判し、通報以前から不審な様子に気づいていたと話している。住民からは、同様の事件が繰り返されないよう、地域の寺院に滞在する僧侶に対してより厳しい身元確認や検査を行うよう求める声が上がっている。
タイでは近年、僧侶による薬物使用や不祥事が相次いでおり、仏教界全体の規律のあり方が問われている。2023年には一部の寺院で僧侶全員の薬物検査を実施したところ、大半が陽性となり寺院から僧侶がいなくなったケースも報告されるなど、問題の根深さが浮き彫りになっている。
出典: Bangkok Post



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