タイ政府が、中国製品を「タイ製」と偽って米国へ輸出する不正行為の取り締まりを本格化させている。米中貿易摩擦の影響で中国製品に高い関税が課される中、第三国を経由して関税を回避する「迂回輸出」が国際的な問題となっており、タイがその抜け道として利用されるケースが急増しているためだ。
■5億バーツ超の偽装品を半年で押収
タイ商務省の対外貿易局(DFT)と税関局は連携して監視体制を強化しており、過去6カ月間で「タイ製」と偽装表示された中国からの輸入品を含む総額5億300万バーツ(約21億円)相当の商品を差し押さえた。摘発対象には、米国が中国製品に課す反ダンピング関税の回避や、タイ製品に適用される関税優遇を不正に得る目的で原産地を偽装した商品が含まれる。
■罰則強化で迂回輸出の抑止を狙う
タイでは1938年に制定された「虚偽原産地表示商品輸入禁止法」により原産地の偽装表示は違法とされているが、現行の罰則では抑止力が不十分との指摘がある。そこで政府は、原産地を偽装した商品の没収を可能にする法改正を計画しており、執行を「より厳格かつ断固たるもの」にする方針を打ち出した。
■タイの国際的信頼と国内産業の保護が焦点
こうした措置の背景には、米国側の監視が厳しさを増していることがある。米国はタイからの輸出急増に警戒を強めており、偽装が横行すればタイ製品全体の信頼が損なわれかねない。タイ政府としては、自国企業を不公正な競争から守ると同時に、貿易相手国に対して公正な貿易慣行に取り組む姿勢を明確に示す狙いがある。タイに製造拠点を持つ日系企業にとっても、原産地証明の厳格化は今後の輸出手続きに影響を及ぼす可能性があり、動向を注視する必要がありそうだ。
出典: Bangkok Post



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