中東情勢悪化でタイ飲食業界に危機感 エネルギー高騰が直撃か

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中東情勢の緊迫化を受けたエネルギー価格の高騰が、タイの飲食業界に深刻な影響を及ぼしかねないとして、業界関係者の間で警戒感が広がっている。

タイレストラン協会のタニワン・クルモンコルさんは英字紙バンコク・ポストの取材に対し、イランを巡る紛争の激化を懸念する飲食店経営者が増えていると明かした。同氏は「エネルギー価格が上がれば物流コストも連動して上昇し、食材や厨房設備の仕入れ値に跳ね返る」と指摘。現時点ではタイ政府による価格統制策が食材価格の急騰を抑えており、当局は「この時期に便乗値上げを行った事業者には罰則を科す」と警告しているという。タニワンさんは「先行き不透明感から消費者が財布のひもを締めれば、飲食業界の売り上げに直接響く」と危機感をにじませた。さらに、経営者自身も資金繰りに慎重になり、新規出店や設備投資の計画を先送りする動きが出る可能性があると述べた。

観光地として日本人にもなじみの深いプーケットでは、すでに影響が表面化し始めている。プーケット飲食店協会のピスット・スッティジンダウォンさんは同紙に対し、島内のホテルや旅行会社で予約キャンセルが発生していることを明らかにし、「来週にはより明確なトレンドが見えてくるだろう」と語った。観光客の減少は飲食業界にも確実に波及するとの見方だ。ピスットさんはタイ政府に対し、プーケットを長期滞在の目的地として積極的にプロモーションし、中東からの長期滞在旅行者を呼び込むよう提案。その際、入国者の経済力を確認するスクリーニング措置を設けることや、外国人向けの不動産購入支援プログラムの整備も求めた。

タイ観光スポーツ省の統計によると、2025年にタイを訪れた中東諸国からの外国人観光客は約75万2500人で、前年比1.39%の微増にとどまった。タイの大手外食チェーンであるスキシ・インターグループ社の創業者兼CEOノパドン・ジラワラパンさんも、エネルギーコスト上昇への懸念を表明。同社はタイ国内でしゃぶしゃぶやビュッフェ形式のレストランを多数展開しており、今年中にテナント賃料の上昇も見込まれるとした。こうしたコスト増に対応するため、食材の調達先を多様化し、より有利な仕入れ条件を確保する方針だという。同社の顧客構成はタイ人が約7割、外国人が約3割。地政学的リスクによる外国人観光客の減少は、プーケットやチェンマイといったタイ主要観光地の店舗に打撃を与える恐れがあると警鐘を鳴らした。

出典: Bangkok Post

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