チェンライで覚醒剤600キロ押収 逃走車両を軍が追跡し発見

事件事故

タイ北部チェンライ県で、ミャンマー国境付近をパトロール中の軍兵士らが大量の覚醒剤を積んだSUVを発見・押収した。車内から見つかった覚醒剤は約600キロに上り、タイ国内で近年最大級の押収量となる。

事件が起きたのは、チェンライ県メーファールアン郡のタイ・ミャンマー国境沿いの山間部。パムアン軍管区の兵士らが夜間パトロール中、三菱パジェロが異常な速度で山道を走行しているのを発見した。停止を求めたところ車両は加速して逃走し、麻薬取締特別部隊(N.S.U.35)と合同で設置した検問所も突破した。

メーファールアン郡はミャンマーとの国境に接する山岳地帯で、「ゴールデン・トライアングル(黄金の三角地帯)」の一角として知られ、東南アジア有数の麻薬密輸ルートが集中する地域だ。

兵士らが追跡を続けた結果、同郡トートタイ地区のフアイメーライ貯水池付近で、乗り捨てられたSUVを発見した。運転手の姿はなく、暗闇に紛れて逃走したとみられている。車内を捜索したところ、白と青の袋24個が見つかり、中にはそれぞれ25個の小分け包装された覚醒剤(タイでは通称「ヤーアイス」と呼ばれる)が詰められていた。総重量は約600キロと推定される。

また、車内からはランパン県在住の29歳男性名義のタイ国民IDカードも発見されており、当局はこの人物の行方を追うとともに、密輸組織の全容解明に向けて捜査を進めている。

タイ軍によると、2024年10月から2025年3月上旬までの約5カ月間で、パムアン部隊は257件の薬物事件を摘発し、265人の容疑者を逮捕した。押収量はメタンフェタミン錠剤(通称「ヤーバー」)約1億5162万錠、覚醒剤(アイス)約2407キロ、ヘロイン約1.3キロ、アヘン約67キロ、ケタミン約327キロに達している。同期間中には34件の武力衝突が発生し、25人の容疑者が死亡した。

当局は、今回を含む押収薬物がバンコクの末端市場に流通していた場合、推定被害額は約254億バーツ(日本円で約1000億円超)に上った可能性があるとしている。タイ北部の国境地帯では、ミャンマー側の少数民族武装勢力の支配地域で製造された大量の合成麻薬がタイ国内に持ち込まれるケースが後を絶たず、取り締まり強化が続いている。

出典: Bangkok Post

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