タイ中部のノンタブリ県とパトゥムターニー県で、絶滅危惧種のシロカシラトキインコの個体数が著しく増加している。地元の野鳥保護専門家らが仏教寺院周辺に人工巣箱を設置するなど、草の根レベルの保全活動が功を奏しているという。
シロカシラトキインコはタイ固有の中型インコで、かつては広くバンコク近郊に生息していた。しかし過去数十年間の都市化により生息地が急速に失われ、ペットの違法取引による乱獲も相まって、個体数は激減していた。国際自然保護連合は本種を絶滅危惧種に指定しており、タイ政府も保護対象野生動物として扱っている。
ノンタブリ県とパトゥムターニー県での成功は、地元コミュニティと仏教寺院が協力した環境保全モデルとして注目されている。タイ仏教では生命尊重の教義が重視されており、多くの寺院が野生動物保護プロジェクトに積極的に参加している。地域住民の保護意識も高まり、違法なペット取引への通報も増えているという。
ただし課題も山積みだ。逃げ出したペットのインコが野生個体と交雑するリスク、樹木伐採による営巣地の喪失、そして急速な都市拡張に伴う緑地減少が脅威となっている。バンコク大都市圏の開発圧力は依然として強く、野生動物の生息地確保は困難な状況が続いている。
専門家らは、シロカシラトキインコの長期的な存続には、都市公園の保全拡大と新たな樹木植林事業の強化が不可欠だと指摘している。タイの都市開発と自然保全のバランスをいかに取るかは、東南アジア全域での環保全戦略にも影響を与える課題として国際的にも注視されている。
出典: Bangkok Post



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