韓国、インドネシア団体客のビザ免除試験開始 タイ市場との比較で見える戦略

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【バンコク発】韓国政府が観光客誘致戦略を加速させている。年間3000万人の外国人観光客受け入れを目標に、インドネシアからの団体旅行者を対象にした試験的なビザ免除制度を開始した。

韓国文化部のチェ・フィヨン長官は先日の国家観光戦略会議で、現在を韓国文化の「黄金期」と位置付け、ビザ規制の緩和や地方空港路線の拡充などを含む包括的な施策を発表。新キャンペーン「Visit Korea Year」の下、国をあげた観光振興に乗り出した。

インドネシア向けの新制度では、3名以上の団体旅行者であれば事前のビザ取得なしで入国でき、最大15日間の滞在が可能。2024年にインドネシアから韓国を訪れた観光客は約33万6000人で、パンデミック前の2019年水準を既に上回っており、強い市場成長性が期待されている。

こうした施策が注目されるのは、東南アジアにおける韓国の観光戦略の転換を示すからだ。従来から主要市場だったタイは、2019年には約57万2000人がタイパスポート所持者向けの無査証制度を利用して訪れていた。2024年は約32万3000人、2025年上半期は18万人を超え、前年同期比で40%以上増加している。

しかし増加の一方で、課題も浮上している。多くのタイ人観光客やソーシャルメディアのインフルエンサーが入国審査で拒否される事例が相次ぎ、タイ国内では不満の声が高まっている。その背景には、韓国での不法就労タイ人労働者(タイではこうした就労者を「ピノイ」と呼ぶ)増加への懸念があるとみられ、入国管理の厳格化につながっているとタイ人観光客は指摘している。タイ在住の日本人の中にも、東南アジア市場における韓国の選別的な観光戦略に注目する向きが多い。

出典: Bangkok Post

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