タイ中部ロッブリー県で行われた米タイ合同軍事演習「ハヌマン・ガーディアン2026」の閉会式で、米陸軍がタイ王国陸軍にストライカー装甲車17両を引き渡した。両国の防衛協力における大きな節目となる。
ストライカー装甲車は、米軍が迅速展開用に開発した8輪式の装輪装甲車で、機動性と輸送性に優れた中型戦闘車両として知られる。
■米国の余剰装備プログラムで移管が実現
引き渡し式はロッブリー県のタイ王国陸軍航空センターで実施され、米陸軍太平洋軍(USARPAC)のジョエル・ボウエル副司令官(中将)、タイ王国陸軍のパナ・クレープロットゥック最高司令官(大将)、ショーン・K・オニール駐タイ米国大使らが出席した。
今回の移管は、米国が保有する余剰防衛装備品を同盟国に提供する「EDA(余剰防衛装備品)プログラム」に基づくもの。引き渡された17両はいずれも米陸軍で実際に運用されていた車両で、タイ陸軍の近代化を後押しする狙いがある。
米陸軍太平洋軍によると、これらの車両はタイ王国陸軍が新たに編成する「第111ストライカー連隊戦闘チーム」の中核装備となり、訓練や実任務の両面で活用される見通しだ。
■同盟関係の深化と地域安定への期待
米陸軍太平洋軍のロナルド・クラーク司令官(大将)は「米タイ同盟は地域の安定と安全保障の礎だ」と述べ、今回の装備移管が両国間の長年にわたる同盟関係を象徴するものだと強調した。
オニール大使は、ストライカー車両群の運用を支えるためのインフラ整備が今後タイ国内で進む可能性に言及。整備拠点の設置などを通じて雇用創出や米タイ間の商業協力の拡大も期待できるとし、タイが防衛整備・イノベーションの地域ハブとなる可能性にも触れた。
■ハヌマン・ガーディアン演習とは
ハヌマン・ガーディアンは、米国とタイが毎年実施している合同軍事演習で、両国の防衛協力を支える重要な柱の一つとなっている。ロッブリー県はバンコクの北東約150キロに位置し、タイ陸軍の主要な訓練施設が集中する軍事都市としても知られる。今年の演習では実弾射撃訓練や文化交流プログラムが行われ、両国軍の連携強化と相互理解の深化が図られた。
タイは米国にとってアジア太平洋地域における最も古い条約同盟国の一つであり、今回の装甲車移管は、中国の軍事的影響力が拡大する東南アジアにおいて米タイ関係の結束を改めて示す動きとして注目される。
出典: Bangkok Post



コメント