米イラン緊張でドル急騰 原油120ドル目前で世界経済に暗雲

Uncategorized

米国とイランの軍事的緊張が再び高まり、国際金融市場に大きな動揺が広がっている。外国為替市場ではドルが急騰し、原油価格は1バレル120ドルに迫る水準まで上昇した。

今回の局面でドルは、有事の際に資金が集中する「安全通貨」としての性格に加え、米国がシェールオイル革命以降、世界有数のエネルギー輸出国となった点も買い材料となった。通常、地政学リスクが高まると金が安全資産として注目されるが、今回はドルがこの二重の強みを背景に金を上回る勢いで買い進められている。

この影響はタイ経済にも直結する。タイは原油の大部分を中東からの輸入に頼っており、原油価格の高騰はガソリンや軽油の国内価格を直接押し上げる。タイ政府はこれまでも国内燃料価格の安定のために石油基金を通じた補助金政策を実施してきたが、原油が120ドル近辺まで上昇すれば基金への負担は一段と増す見通しだ。物流コストの上昇を通じて食料品や日用品の価格にも波及し、インフレ圧力が強まる懸念がある。

また、ドル高はタイバーツの下落要因となる。バーツ安が進めば、タイに在住する日本人にとっては日本円からバーツへの両替レートに大きな変動はないものの、ドル建てで支払う海外送金や輸入品の価格上昇という形で影響が及ぶ可能性がある。タイの輸出産業にとってはバーツ安が追い風となる一方、輸入コスト増が企業収益を圧迫する両面がある。

タイ中央銀行は為替の急激な変動を抑えるため市場介入の姿勢を示しているが、米イラン情勢が長期化すれば対応余力にも限りがある。タイ証券取引所(SET)でもエネルギー関連銘柄を除き全体的に売りが優勢となっており、投資家の間ではリスク回避の動きが鮮明だ。中東情勢の行方次第では、タイ経済と在タイ日本人の暮らしへの影響がさらに拡大する恐れがあり、今後の動向を注視する必要がある。

出典: Bangkok Post

コメント