中東紛争の激化を受け、タイ政府が自国経済への影響を緊急分析した結果、原油価格の高騰がGDP成長率を大きく押し下げる恐れがあることが明らかになった。
エクニティ・ニティタンプラパース暫定財務大臣は、財務省幹部による緊急会議後に記者団に対し、原油価格が1バレルあたり10ドル上昇するごとにタイのGDP成長率が約0.2ポイント低下するとの試算を示した。当初は紛争が1カ月以内に収束する前提で分析していたが、長期化の兆しが強まっており、世界の原油価格が想定を大幅に上回る水準まで上昇する可能性があるという。
タイの経済政策の司令塔である国家経済社会開発委員会(NESDC)のダヌチャー・ピチャヤナン事務局長は、2つのシナリオに基づく影響評価を公表した。
第1のシナリオは、戦争が1カ月以内に終結するケースだ。中東の原油輸送の要衝であるホルムズ海峡が一時的に閉鎖され、原油価格が1バレル95〜105ドルに上昇した場合、タイの経済成長率は従来予測の2.0%から1.6%に低下すると見込まれている。ホルムズ海峡は世界の原油輸送量の約2割が通過する重要な海上ルートで、閉鎖されれば国際的なエネルギー供給に深刻な影響が及ぶ。
第2のシナリオは、紛争が1カ月以上続き、海峡閉鎖が長引くケースだ。原油の輸送ルートと世界のサプライチェーンが大きく混乱し、原油価格は1バレル115〜125ドルまで跳ね上がると想定。この場合、タイの今年のGDP成長率は1.3%まで減速するとNESDCは予測している。
タイは原油の大部分を輸入に依存しており、原油高はガソリンや物流コストの上昇を通じて国民生活や産業活動に直結する。エクニティ暫定財務大臣は、財務省として原油市場の動向と輸入コストへの影響を引き続き注視し、財務事務次官または省の報道官が今後の対応方針について追加の情報を発表する予定だと述べた。日系企業の製造拠点が多く集まるタイだけに、エネルギーコストの上昇は在タイ日本企業の経営にも影響を与えそうだ。
出典: Bangkok Post



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