電気自動車の世界でテスラが車の概念を「車輪付きコンピューター」に変えたように、タイの二輪車業界でも同じ変革を起こそうとするブランドが注目を集めている。タイ発のスタートアップ「OMOWAY」だ。
■自律走行する電動バイクとは何か
OMOWAYが開発を進めているのは、AI(人工知能)による周囲認識機能や自律走行技術を搭載した次世代の電動バイクだ。単なるEVバイクではなく、センサーやカメラで周囲の交通状況を把握し、車両自らが判断を下す「頭脳を持つバイク」を目指している。こうしたコンセプトから、現地メディアでは「二輪業界のテスラ」とも称されている。
■タイで加速するEVシフトの波
タイは東南アジア最大の自動車生産拠点であり、近年は政府主導でEV産業の育成に力を入れている。タイ政府はEV購入時の補助金制度や税制優遇策を打ち出し、中国のBYDや長安汽車など海外メーカーの工場誘致にも成功した。四輪だけでなく二輪のEV化も急速に進んでおり、バンコク市内ではフードデリバリーの配達員が電動バイクを利用する光景も珍しくなくなった。タイではバイクが日常の主要な移動手段であり、登録台数は約2200万台に上る。それだけに、二輪EV市場のポテンシャルは極めて大きい。
■日本メーカーへの影響は
タイのバイク市場はこれまでホンダやヤマハなど日本メーカーが圧倒的なシェアを握ってきた。しかしEVシフトが進む中、中国系メーカーやOMOWAYのような地場スタートアップの台頭により、競争環境は大きく変わりつつある。特に自律走行やAI技術といったソフトウエア面での差別化は、従来のエンジン技術を強みとしてきた日系メーカーにとって新たな課題となる可能性がある。タイ発の「スマートバイク」が今後どこまで実用化されるか、日本の二輪業界にとっても目が離せない動きだ。
出典: Bangkok Post



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