ホルムズ海峡封鎖でタイ石油化学が生産削減へ日本企業にも波及か

Uncategorized

タイ・バンコク発――中東ホルムズ海峡の混乱を受け、世界第8位の石油化学拠点であるタイで、主要メーカー各社が相次いで生産削減や製品値上げに踏み切り始めた。日系企業を含む現地サプライチェーンへの影響拡大が懸念されている。

■大手SCGが不可抗力宣言、月間1億5000万バーツの損失見込み

タイ最大級の複合企業SCG傘下のSCGケミカルズ(SCGC)は、東部ラヨーン県にあるラヨーン・オレフィンス(ROC)工場で不可抗力(フォースマジュール)を宣言した。タマサック・セタウドムSCG社長は、地域情勢の不安定化によりナフサやプロパンといった主要原料の安定調達が困難になっていると説明。ROCの操業停止による損失は月間約1億5000万バーツ(約6億円相当)に上る見通しだ。SCGは石油価格高騰の影響を抑えるため、セメント・建設部門で代替エネルギーへの転換も進めている。

■PTTグループやダウも対応に追われる

タイ東部チョンブリ県のマプタプット工業団地は年間生産能力3700万トンを誇るタイ石油化学産業の心臓部で、日系企業も多数進出している。同工業団地内の主要企業も操業への深刻な影響に備えを強めている。タイ国営石油会社PTT傘下のPTTグローバルケミカル(GC)は、物流と原料調達の不確実性が高まっているとして、供給状況に応じた厳格な受注管理を行う方針を顧客に通知した。

米化学大手のタイ現地法人ダウケミカルタイランドは、中東の地政学リスクに伴う管理不能な外部コストの増加を理由に、特殊樹脂製品で1トン当たり200ドル(約3万円)の即時値上げを発表。タイの国営系石油精製・石化企業IRPCは、中東航路への依存を減らすべく代替の原油調達ルートを積極的に模索している。

■タイ国内の中小企業や日系メーカーにも波及懸念

HMCポリマーズは、海上保険料の急騰と輸送の大幅な遅延が深刻な制約になっていると報告。原料到着の不安定さに合わせて生産サイクルを調整する必要があり、今後数週間でポリプロピレン(PP)の供給不足が発生する可能性があると警告した。

この混乱はタイ国内の中小企業のサプライチェーン全体に波及する見込みで、食品包装や自動車部品、医療用品、繊維産業まで幅広い分野に影響が及ぶとみられる。タイには日系の自動車・電機メーカーの製造拠点が集積しており、樹脂や化学原料の調達難が日本企業の生産活動にも影響を与える恐れがある。タイ在住の日本人ビジネス関係者の間でも、今後の動向を注視する動きが広がっている。(TNA)

出典: Bangkok Post

コメント