タイ有数の観光地パタヤ中心部のホテルで、日本人観光客がトランスジェンダーの女性にハサミで刺され負傷する事件が発生した。容疑者は「正当防衛だった」と主張しているが、被害者は金銭も奪われたと訴えており、双方の証言は大きく食い違っている。
■深夜のホテルで何が起きたのか
3月9日午前4時過ぎ、パタヤ中央地区にあるホテルから「部屋で乱闘が起き、負傷者がいる」との通報が入った。パタヤ市警察署の警察官と救急隊員が駆けつけたところ、ホテル2階の204号室で事件が発生しており、ロビーではすでにホテル従業員がトランスジェンダーの女性2人を取り押さえていた。
負傷したのは日本人観光客の和田柚樹さん(61)。右手首付近に約3センチの深い切り傷を負っており、現場で応急処置を受けた後、パタヤ市内のバッタマクン病院に搬送された。命に別状はないという。
■容疑者と被害者で食い違う証言
容疑者のサッタ被告(27)は警察の聴取に対し、パタヤのビーチロード沿いにある商業施設「ベイウォーク」付近で和田さんと知り合い、合意の上でホテルに同行したと供述した。ベイウォークはバーやナイトクラブが集まるパタヤ有数の繁華街エリアにある。
サッタ被告の説明によると、部屋で2人きりになった際に和田さんから暴行を受けそうになり、助けを求めて叫んだものの誰にも気づかれなかったため、友人に連絡して助けを求めたという。友人が駆けつけてドアをノックした際にもみ合いになり、身を守るためにハサミで手首を刺したと主張している。同行した友人については「助けに来ただけで直接手は出していない」と強調した。
一方、和田さんは現場で取材に応じた記者団に対し、一方的に襲われた上、現金5000バーツ(約2万円)を盗まれたと証言している。
■警察は被害届を待って立件へ
パタヤ市警察はサッタ被告ともう1人の女性をパタヤ市警察署に連行し、事情聴取を続けている。当局は和田さんが治療を終えた後に正式な被害届を提出するのを待ち、傷害や窃盗の容疑で起訴するかどうかを判断する方針だ。
パタヤはバンコクから車で約2時間のリゾート地で、日本人観光客も多く訪れる。一方で、深夜の繁華街を中心に外国人観光客を狙った犯罪も報告されており、在タイ日本国大使館も夜間の単独行動に注意を呼びかけている。
出典: Bangkok Post



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