パタヤで中国人男性が不審死 全身に暴行痕と首吊り偽装の疑い

事件事故

タイ有数のリゾート地パタヤ近郊で、中国人とみられる男性の遺体が発見された。全身に激しい暴行の痕跡があり、警察は自殺を装った殺人事件の可能性があるとみて捜査を進めている。

■線路脇で首を吊った状態の遺体発見

2026年3月5日、タイ東部チョンブリ県パタヤ近郊の鉄道線路付近で、近隣住民からの通報を受けた警察と救助隊が現場に急行した。パタヤはバンコクから南東約150キロに位置するビーチリゾートで、多くの外国人観光客や長期滞在者が暮らす街として知られる。

遺体は線路沿いのホテルバイク駐車場の屋根の下で見つかった。30~40代とみられる東アジア系の男性で、鋼鉄の梁にくくりつけたクリーム色のナイロンロープで首を吊った状態だった。しかし、膝がわずかに曲がり、片手が首のロープ付近に残されたままの不自然な姿勢だったことから、捜査当局は当初から自殺以外の可能性を視野に入れた。

■顔面に激しい腫れ、脚にはスタンガンの痕

現場で遺体を確認した警察官によると、男性の顔面には繰り返し殴打されたことを示す激しい腫れがあった。さらに両脚にはスタンガンやテーザー銃で受けたとみられる複数の暗色の痕跡が残されていた。全身にも打撲傷や擦過傷が多数確認され、法医学チームは「自傷ではなく、第三者による暴行の痕跡」と判断した。

遺体の近くからは手書きの遺書3通が見つかったものの、身体の損傷の程度と矛盾することから、警察は遺書の信憑性を認めていない。遺体からは身分証明書などは確認されなかったが、外見の特徴や、現場周辺が中国人観光客・居住者に人気のエリアであることから、警察は「被害者は中国人の可能性が高い」と発表。入国記録や中国語圏コミュニティへの聞き込みを通じて身元の特定を急いでいる。

■パタヤで相次ぐ中国人絡みの事件との関連は

パタヤとチョンブリの警察は合同捜査チームを編成し、ロープや周辺から指紋・DNA・繊維などの証拠を収集している。近隣のホテルや道路、線路沿いの監視カメラの映像も精査中で、死亡前の数日間に男性を目撃した人や不審な人物に心当たりのある人はムアンパタヤ警察署または観光警察ホットラインに連絡するよう呼びかけている。

パタヤでは近年、中国人が関与する事件が増加傾向にある。ナイトライフでのトラブルや詐欺、在住者同士の金銭トラブルなどが背景にあるとされ、当局はこうした事件への対策として娯楽地区や鉄道沿線でのパトロールを強化している。警察は今回の事件と過去の事件との直接的な関連は否定しているが、年間数百万人の外国人観光客を受け入れるパタヤの治安への懸念が改めて浮き彫りとなった。

今後、正式な検視が行われ、首吊りが直接の死因なのか、それとも暴行による負傷が致命的だったのかが明らかになる見通しだ。警察は「証拠や目撃情報が集まり次第、捜査の進展を公表する」としている。

出典: Bangkok Post

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