アフガニスタン政府は、パキスタン軍による空爆が首都カブールにある薬物依存症治療病院を直撃し、民間人400人以上が死亡、250人が負傷したと発表した。病院には入院患者や医療従事者が多数おり、被害が拡大したとみられる。これに対し、パキスタン政府は民間人を標的にした攻撃は一切行っていないと全面的に否定している。
両国の対立は長年にわたり深刻化している。パキスタンは2024年以降、アフガニスタン領内に潜伏するパキスタン・タリバン(TTP)などの武装勢力を掃討する目的で越境攻撃を繰り返してきた。一方、アフガニスタンを実効支配するタリバン政権はこうした攻撃を主権侵害と強く非難しており、両国間の緊張は一触即発の状態が続いている。
今回の報道が事実であれば、医療施設への攻撃は国際人道法に違反する重大な行為にあたる。国際社会からも強い非難の声が上がる可能性が高い。ただし、アフガニスタン側の発表する死傷者数については独立した検証が困難な状況であり、情報の正確性については慎重に見極める必要がある。
このニュースはタイ国内でも関心を集めている。タイはアフガニスタンやパキスタンとの直接的な軍事的関係はないものの、南アジア・中央アジアの不安定化は国際的な難民問題やテロリスクに波及する懸念がある。タイ国内にはアフガニスタンからの難民・庇護希望者も一定数滞在しており、バンコクの国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が支援にあたっている。在タイ日本人にとっても、こうした地政学的リスクの動向は無関係ではない。
日本政府はこれまでアフガニスタンへの人道支援を継続しており、医療分野への援助も行ってきた。今後、国連や各国の調査結果を踏まえた対応が注目される。
出典: Bangkok Post



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