タイの首都バンコクにある著名な寺院で、元上座僧侶2人が見習い僧侶(サーマネーン)の少年たちに性的虐待を繰り返していた疑いが浮上した。2026年3月21日、新たに被害者の少年7人が名乗り出て、タイ国内に大きな衝撃が広がっている。
タイでは仏教が国民の約9割以上に信仰されており、少年が一定期間出家して寺院で修行する「短期出家」の文化が広く根付いている。僧侶は社会的に高い尊敬を受ける存在であり、寺院内での性的虐待事件は社会の信頼を根底から揺るがす深刻な問題となっている。
■被害は出家直後から始まった
被害者の保護者らは、子どもの人権問題に取り組むタイの民間団体「パウィーナー子ども女性財団」に支援を求めた。15歳の元見習い僧侶の保護者によると、少年は2023年の夏期に出家し、指導役だった47歳の僧侶と同じクティ(僧房)で共同生活を送っていた。虐待は出家からわずか1週間以内に始まったという。同じクティで生活していた5人の見習い僧侶全員が不適切な身体的接触を受けており、一部の少年は報復を恐れて抵抗できなかったと訴えている。虐待は約2年8カ月にわたりエスカレートしながら続き、2025年11月に少年が母親に打ち明けたことでようやく発覚した。
■容疑者2人を逮捕 追加捜査も進行中
本件はまず2026年2月26日、パウィーナーさんが未成年の被害者3人とその保護者に同行し、中央捜査局を通じて人身売買対策課(AHTD)に告訴状を提出したことで動き出した。3月20日にはAHTDの捜査員が容疑者の元僧侶2人を逮捕。翌21日、さらに4人の被害者が名乗り出て、第2の告訴人グループが形成された。保護者らは、同じ寺院や別の寺院の僧侶も同様の犯行に関与していた可能性があると主張し、最大限の法的措置を求めている。当局は新たに特定された4人の見習い僧侶からの聴取準備も進めている。
■被害少年の教育支援も始まる
パウィーナーさんは、迅速な証拠収集と逮捕状の取得に尽力した人身売買対策課の捜査員に感謝を示し、本件を虐待に対する法執行措置の重要な先例と位置づけた。すでに支援を受けている元見習い僧侶3人については、財団がタイ文部省と連携して適切な学校への就学手続きを進めるなど、教育面でのサポートも始まっている。残る4人の被害者についても、還俗した者を含め、保護者がAHTDへの告訴手続きの支援を求めており、面談日程はすでに設定されているという。
タイでは近年、寺院内での性的虐待事件が相次いで報道されており、僧侶の監督体制や子どもの保護に関する制度の見直しを求める声が高まっている。
出典: Bangkok Post



コメント