バンコク都内のホテルで、タイ人から現金数百万バーツ(日本円で約2000万円相当)をだまし取ったとして、警察官になりすましていた中国人の男が逮捕された。タイで社会問題化している「コールセンター詐欺」の一端とみられ、国際的な犯罪ネットワークの関与も浮上している。
■警察官を装い約6時間の電話で被害者を誘導
事件が発覚したのは3月16日。被害者が「警察官を名乗る人物から電話があり、マネーロンダリング事件に関与している疑いがあるため、確認のために現金を送る必要がある」と告げられたと通報したことがきっかけだった。約6時間にわたる巧妙な電話のやり取りの中で、被害者は銀行から182万6800バーツ(約780万円)を引き出してなりすまし犯に手渡し、さらに3万4000バーツ(約14万円)を送金させられた。その後、詐欺だと気づいた被害者が警察に被害届を提出した。
■共犯者の逮捕から主犯格の身柄確保へ
チャチューンサオ県警は捜査の過程で、まず現金の受け渡し役を担っていたカン・ヤー被告を逮捕した。同被告は合法的な在留資格を持たない中国人で、被害者から受け取った現金をバンコク・フワイクワン地区のホテルに滞在する主犯格に届ける役割だったという。フワイクワンはバンコク中心部に近く、中華系の飲食店や商業施設が集まるエリアとして知られる。
カン・ヤー被告の供述などの証拠に基づき裁判所から逮捕令状が発行され、警察は主犯格の中国人の男の身柄をホテルの一室で拘束した。捜査はチャチューンサオ県警のクリアンクライ・ブーンソン本部長らの指揮の下で行われ、第2管区のチョークチャイ・ガムウォン副長官も現場を訪れて捜査を監督した。主犯格の容疑者は180万バーツの詐欺を自白し、起訴された。押収品は現金548万4200バーツのほか、土地権利証書3通、車両2台に上る。
■タイを中継地点とする国際詐欺ネットワークの実態
タイでは近年、中国人やミャンマー人が関与するコールセンター詐欺が急増しており、在タイ日本人が標的になるケースも報告されている。警察は「いかなる状況でも、警察官が確認のために送金や現金の引き出しを求めることはない」と市民に注意を呼びかけている。
関連する事件も相次いでおり、3月18日にはカンチャナブリ県で入国管理警察がケーンシアン地区の賃貸住宅を捜索し、有効な滞在書類を持たない中国人7人を逮捕した。7人はカンボジアからタイ東部のサケーオ県を経由して不法入国し、ミャンマーへ向かう途中だったとみられる。容疑者らは「中国とミャンマーにいる支援者がネットワークを運営しており、タイは中継地点として利用されていた」と供述しており、警察は国境をまたぐ組織犯罪の全容解明を急いでいる。
出典: Bangkok Post



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