タイ中部チャチョンサオ県バンポー郡にある化学工場で2026年3月6日午後4時ごろ、大規模な火災が発生した。工場内に保管されていたシンナーなどの可燃性化学物質に引火し、繰り返し爆発が起きたとみられている。現場からは濃い黒煙が空高く立ち上り、周辺住民に不安が広がった。
火災が発生したのは、バンポー郡テップラチャ地区にあるカーゴ・ケミカル社の工場。同社はシンナーをはじめとする可燃性の化学製品を扱っており、消防当局が複数台の消防車を出動させ消火活動にあたった。当局は周辺住民に対し避難を呼びかけるとともに、有害な煙を吸い込まないよう注意を促した。
チャチョンサオ県はバンコクの東方約80キロに位置し、東部経済回廊(EEC)の一角として近年工業開発が急速に進む地域だ。自動車部品や化学製品などの工場が集積しており、日系企業も多数進出している。一方で、工場の安全管理体制をめぐっては以前から課題が指摘されてきた。
タイでは化学工場や倉庫での火災・爆発事故がたびたび発生している。2022年にはバンコク近郊のサムットプラカーン県で化学プラントが大爆発を起こし、周辺住民を含む多数の死傷者が出た。この事故を受け、タイ政府は化学物質を扱う工場への安全基準の強化や立ち入り検査の厳格化を打ち出したが、中小規模の工場では依然として管理が行き届いていないケースも少なくない。
今回の火災による死傷者の有無や被害の詳細については、当局が調査を進めている。工場周辺には住宅地も点在しており、住民の健康被害や環境汚染への影響も懸念される。タイ在住の日本人にとっても、工業地帯での化学事故のリスクは他人事ではなく、日頃から周辺環境の安全情報に注意を払うことが求められる。
出典: Bangkok Post



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