タイ北部プレー県で、予算総額6億5700万バーツ(約28億円)を投じた県庁舎複合施設の建設プロジェクトが事実上頓挫していることが明らかになった。契約期間の終了後、約2年間にわたり工期が延長されたにもかかわらず、工事の進捗率はわずか25%にとどまっている。当局は、中国の投資グループと共同で受注した請負業者が工事を放棄したとみており、最近になって建設現場から重機や資材などの設備がほぼ全て撤去されていたことが確認された。
プレー県はバンコクから北へ約550キロに位置し、チーク材の伝統的な木造建築で知られる歴史ある街だ。県庁舎の老朽化に伴い、行政機能を集約する複合施設の建設が計画されていた。
タイでは近年、中国系企業が公共インフラ事業に参入するケースが増えている。一帯一路構想を背景に、鉄道や道路、建築分野で中国資本の存在感が高まる一方、工事の品質や工期の遅延をめぐるトラブルも各地で報告されてきた。バンコクとナコンラチャシマを結ぶタイ中高速鉄道プロジェクトでも、用地取得や施工をめぐり大幅な遅れが生じており、中国系業者が関わる大型事業への信頼性が問われる場面が少なくない。
タイの公共事業では、入札段階で価格を低く抑えて受注した業者が、資金繰りの悪化や見積もりの甘さから工事を途中で放棄する問題がたびたび起きている。今回のケースでも、請負業者が十分な施工能力や資金力を持っていたのかが今後の焦点となりそうだ。地元住民からは「税金の無駄遣いだ」との批判の声が上がっており、県当局は請負業者への法的措置を検討しているとみられる。
タイ政府は公共調達の透明性向上を掲げているが、地方の大型プロジェクトでは監督体制の不備が依然として課題となっている。プレー県の住民にとって、新庁舎の完成がいつになるのか、見通しは立っていない。
出典: Bangkok Post



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