タイ東北部ブリラム県で、71歳の男性が隣人を鍬で殴打して死亡させる事件が起きた。背景には2年以上にわたる言葉の暴力があったとされ、タイ国内のSNSでも大きな反響を呼んでいる。
ブリラム県はバンコクから東へ約400キロに位置するイサーン(東北)地方の県で、サッカースタジアムで知られる一方、農村部では近隣住民同士の距離が近く、トラブルが長期化しやすい土地柄でもある。
■事件の経緯
2026年3月7日午後6時ごろ、プラコンチャイ郡シーリャム地区バーン・サラピ村の路上で、プラユーン・クルートラムさん(63)が頭部を複数回殴打された状態で死亡しているのが発見された。警察は被害者の向かいに住む71歳の男性を容疑者として特定した。
■2年以上続いた言葉の嫌がらせ
同地区ムー6の村長ウィチアン・プッタチャットさん(57)によると、両者の確執は2年以上前から続いていた。容疑者は、プラユーンさんが酒に酔うたびに「貧乏人」「貧乏な家」などと大声で罵倒されることに苦しんでいたという。ウィチアンさんは何度も仲裁に入り、プラユーンさんに暴言をやめるよう説得したが、飲酒のたびに侮辱は繰り返された。
事件当日の夕方もプラユーンさんは酔った状態で侮辱を叫んでおり、容疑者が話し合いのため近づいたところ、プラユーンさんが鍬を手に取り襲いかかろうとした。もみ合いの中で容疑者が鍬を奪い、繰り返し殴打して致命傷を負わせたとみられている。
■遺族も叔父の暴言を認める
プラユーンさんの姪は、叔父が酔うと容疑者やその家族に対して頻繁に侮辱の言葉を浴びせていた事実を認めた。一方で「たとえ侮辱されたとしても、命を奪うほどの暴力は行き過ぎだ」と訴えている。
この事件はタイのSNS上で大きな注目を集め、アルコールが絡む近隣トラブルがなぜ致命的な暴力事件に発展してしまうのかという議論が広がっている。タイでは農村部を中心に飲酒に起因する暴力事件が社会問題となっており、政府も飲酒規制の強化を進めている。警察は容疑者の身柄を確保し、詳しい経緯を調べている。
出典: Bangkok Post



コメント