タイ警察は、中国系の犯罪組織が運営していたコールセンター詐欺グループのアジトを急襲し、総額1400万バーツ(約5600万円)以上の資産を押収した。摘発された拠点では、被害者に電話をかけて公的機関の職員を装うなどの手口で金銭をだまし取っていたとみられる。逮捕された容疑者6人は、いずれも容疑を否認している。
タイでは近年、中国系の犯罪シンジケートが関与するコールセンター詐欺が深刻な社会問題となっている。犯行グループは国境を越えてミャンマーやカンボジア、ラオスなど周辺国にも拠点を構え、タイ国内のみならず中国本土や東南アジア各国の市民を標的にしてきた。手口としては、警察官や銀行員、税務当局の職員などを名乗り、未払いの税金や口座凍結の危険があるなどと脅して送金させるケースが典型的だ。
タイ政府は2023年以降、こうした組織犯罪への取り締まりを強化しており、中国当局とも連携して越境詐欺ネットワークの壊滅を目指している。セター前首相の時代からタイ・中国間の合同捜査が活発化し、ミャンマー国境付近の詐欺拠点に対する大規模な摘発作戦も複数回実施されてきた。
日本人にとっても他人事ではない。バンコクやパタヤなどの観光地では、日本語対応の詐欺グループの存在も過去に報じられており、在タイ日本大使館も注意喚起を繰り返している。SNSやメッセージアプリを通じた投資詐欺やロマンス詐欺にタイ拠点の組織が関与するケースも確認されている。
タイ警察は今後、押収した資産の出所や資金洗浄ルートの解明を進めるとともに、背後にいるとされる大規模な犯罪組織の全容解明を目指す方針だ。
出典: Bangkok Post



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