イラン・米国・イスラエル間の軍事的緊張が高まるなか、意外な形で世界経済に打撃が及ぶリスクが指摘されている。ホルムズ海峡や紅海の海底に敷設された通信ケーブルが攻撃や破壊の対象となれば、世界のインターネット通信が大規模に途絶する恐れがあるというものだ。
■海底ケーブルはなぜ重要なのか
世界のインターネット通信の約95%は海底に敷設された光ファイバーケーブルを通じてやり取りされている。ホルムズ海峡はペルシャ湾とオマーン湾を結ぶ狭い水路で、石油輸送の要衝として知られるが、同時に欧州・中東・アジアを結ぶ複数の海底ケーブルが集中する地点でもある。紅海にも同様に主要な通信ケーブルが通っており、2024年にはイエメンの武装組織フーシ派による攻撃で一部ケーブルが損傷する被害が実際に発生した。
■金融・エネルギーへの波及
仮にこれらのケーブルが広範囲にわたって切断された場合、影響はインターネットの不通にとどまらない。国際的な金融取引システムやエネルギー市場のデータ通信にも支障が生じ、世界経済全体が混乱に陥る可能性がある。原油価格の高騰と通信途絶が同時に起きれば、サプライチェーンへの打撃は計り知れない。
■タイや日本への影響は
タイは中東からの原油輸入に大きく依存しており、ホルムズ海峡の封鎖や周辺の不安定化はエネルギー価格の上昇を通じて国民生活に直結する。日本も同様で、原油輸入の約9割が中東経由であることから、有事の際の影響は甚大だ。また、東南アジアと欧州を結ぶ通信ルートが寸断されれば、タイに拠点を置く日系企業のビジネスにも支障が出かねない。軍事衝突の行方だけでなく、海底インフラの安全確保という視点からも、中東情勢の推移を注視する必要がある。
出典: Bangkok Post



コメント