イスラエル政府は公式SNS(X)を通じ、イランによるミサイル攻撃で死亡したタイ人労働者の氏名を公表した。亡くなったのはイスラエル中部の農業集落アダニムで働いていたタイ人出稼ぎ労働者で、イランが発射した弾道ミサイルの破片が着弾した際に命を落としたとされる。
イスラエルには約3万人のタイ人労働者が滞在しており、その多くは農業分野で雇用されている。タイとイスラエルの間には長年にわたる労働者派遣の枠組みがあり、タイ東北部(イサーン地方)を中心とした農村出身者が高い賃金を求めてイスラエルへ渡航するケースが多い。2023年10月のハマスによる大規模攻撃でもタイ人労働者が多数巻き込まれ、30人以上が死亡、約30人が人質として拘束される事態となった。この経験からタイ政府は在イスラエルのタイ人に対し繰り返し帰国を呼びかけてきたが、経済的な理由から現地にとどまる労働者も少なくない。
タイ外務省はイランの攻撃を受け、在イスラエルのタイ人の安否確認を急ぐとともに、現地の大使館を通じて被害状況の把握に努めている。セター首相はかねてより紛争地域に滞在するタイ人労働者の安全確保を最優先課題に掲げており、今回の事案を受けて追加の退避支援策を検討する方針とみられる。
タイ国内ではイスラエルでの出稼ぎ労働のリスクに対する関心が高まっているものの、月収がタイ国内の数倍に達する待遇は依然として大きな魅力となっている。中東情勢の緊迫が続く中、タイ人労働者の安全をどう守るかは、タイ政府にとって引き続き重い課題となりそうだ。
出典: Bangkok Post



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