中東情勢の不安定化がタイ経済に深刻な影響を与える可能性が浮上している。タイの大学や経済研究機関の学者らが相次いで警告を発している。
タイの学者らの試算によると、イランへの軍事攻撃が拡大した場合、タイのイランおよび中東地域向けの輸出が100億~600億バーツの損失を被る恐れがあるという。中東はタイにとって自動車部品や農産物、電機製品といった主要輸出先であり、地政学的リスクの高まりは直結するダメージとなる。
さらに深刻なのは原油価格の高騰だ。専門家らは世界的な原油価格が現在から20~100%まで急騰する可能性を指摘している。タイは石油のほぼ全量を輸入に頼る資源小国であり、原油高は直ちに国内の輸送費や製造業の生産コストを押し上げる。これにより企業の競争力が低下し、消費者負担も増加することが予想される。
タイ経済は新型コロナウイルス禍からの回復途上にあり、観光産業も本格的な再興段階にある。中東からの観光客も重要な収入源の一つだ。加えて、タイはドバイやサウジアラビア、UAEといった中東諸国への建設労働者の送出国でもあり、海外労働者からの送金も経済を支える重要な要素となっている。
プラウッタマー大学やチュラロンコン大学といった有力研究機関の経済学者らは、タイ政府に対して原油価格の上昇に備えた備蓄政策やエネルギー政策の見直しを急ぐよう求めている。同時に、中東市場との貿易多角化や輸出企業への支援策の検討も必要だと指摘している。
出典: Bangkok Post



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