イランが湾岸原油の全輸出阻止を宣言しトランプ氏と全面対立

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イランは7日、米国およびイスラエルとの戦争が続く限り、ペルシャ湾岸地域から石油を1リットルたりとも輸出させないと宣言した。紛争は事実上終結したと主張するトランプ大統領を真っ向から否定する形だ。

■原油100ドル突破後にトランプ発言で急落

前日の月曜日、世界の原油価格は象徴的な1バレル100ドルの大台を突破し、一時30%もの急騰を見せた。イランの最高指導者が米国とイスラエルの攻撃で殺害されたことを受け、イランが海上輸送への攻撃とホルムズ海峡の封鎖に踏み切ったためだ。ホルムズ海峡は世界の原油の約20%が通過する最重要シーレーンで、日本が輸入する中東産原油の大部分もこの海峡を経由している。タイを含む東南アジア諸国もエネルギー価格への波及が懸念されており、バンコクのガソリン価格にも影響が出始めている。

しかしトランプ大統領がフロリダで記者会見を開き「戦争は間もなく終結する」と発言したことで原油価格は急落。欧州のガス先物も15%安で取引を開始し、アジアの株式市場も前日の急落から持ち直した。ただし市場の不安は払拭されていない。エジプトでは燃料価格が最大30%引き上げられ、パキスタンは自国商船に海軍の護衛をつけると表明するなど、各国が対応に追われている。

■イラン革命防衛隊が強硬声明を発表

こうした中、イランの精鋭部隊であるイスラム革命防衛隊(IRGC)は「戦争の終結を決めるのは我々だ」との声明を発表した。IRGCはイランの新最高指導者モジュタバ・ハメネイ師に近い組織で、「地域の力学と将来の地位は今やわが軍の手中にある。米軍が戦争を終結させることはない」と強調した。モジュタバ・ハメネイ師は暗殺された父の後を継いで最高指導者に就任した人物だ。

さらにアラグチ外相は米PBSニュースの取材に対し「必要な限り、どれだけ時間がかかろうとも、ミサイル攻撃を継続する準備がある」と述べ、「もはや米国との対話は議題にない」と外交交渉を拒否する姿勢を鮮明にした。同外相は、過去に米国が外交交渉中にイランを攻撃した経緯を非難している。

■米イスラエルも強硬姿勢を崩さず紛争拡大の懸念

これに対しトランプ大統領は自身のSNSで、イランが石油輸出の妨害を続ける場合、米軍が「イランの国家再建を事実上不可能にする」規模の爆撃を行うと警告。「死と炎と怒りが彼らを襲うだろう。だがそうならないことを願い、祈る」と投稿した。また価格安定化のため、プーチン・ロシア大統領との電話会談後に石油制裁の一部免除を表明している。

イスラエルのネタニヤフ首相も「イラン国民が専制の枷を脱ぎ捨てることを願う」と述べつつ、「我々が彼らの骨を折っていることは疑いようがなく、まだ終わっていない」と紛争継続を示唆した。

戦闘はイラン国境をはるかに超えて拡大している。イラク北部ではイランが支援する武装組織カターブ・イマーム・アリー派の戦闘員4名が空爆で死亡。レバノンでもイスラエルが新たな攻撃を実施した。フランスのマクロン大統領はホルムズ海峡再開に向けた「純粋に防衛的な」多国間任務に取り組んでいると明かし、トルコではNATOがパトリオット防空システムの配備を進めるなど、中東情勢は緊迫の度合いを増している。

日本やタイなどアジア各国にとって、中東からのエネルギー供給の安定は死活問題であり、今後の展開が注視される。

出典: Bangkok Post

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